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遊郭街跡 新柳町・清川の歴史と散策

公益社団法人 福岡県人権研究所
第183回定例研究会(ジェンダー部会)のお知らせ

「遊郭街跡 新柳町・清川の歴史と散策」

【※このイベントは終了しました】

2012年のジェンダー部会では旧柳町遊郭街跡と寛政五人衆の史跡を巡るフィールドワークを行いました。旧柳町遊郭は明治42(1910)年、九州帝国大学誘致のため風紀上これを隔離すべきとして、「渡辺通り」の地名で知られる渡辺與八郎らの働きかけで住吉村高畑(渡辺家の所有地、現在の清川)へ移転し、新柳町として昭和33(1958)年の売春防止法施行まで営業を続けていました。福岡大空襲で焼ける前は、全国に3つしかない娼妓の学校「翠(すい)糸(し)学校」や、新柳町で働く人々の食事を賄う「共同炊事場」もあったといいます。赤線廃止後は旅館や飲食店などに転業し、昭和37(1962)年8月に「清川」という地名に改められました。
今回は、昭和中期の新柳町時代のエッセイを書かれている渡邉弘子さんと、2013年に清川時代の小説「清らかな川の町」で福岡市長賞を受賞された白鹿夏海さん(新・筆名)をお招きしてお話を伺い、「新柳町・清川の歴史と散策」を企画しております。ご関心のある方はぜひご参加ください。

1月18日(日)午後2時~ 春吉公民館 集合 
(ホテルニューオータニ裏)
福岡市中央区春吉1丁目17-13 
TEL:092-761-2528

資料代:500円(保険料込み) 
(約2時間半~程度)
     
<講師紹介>
渡邉 弘子(わたなべ ひろこ) さん
昭和13年(1938)年生まれ、昭和13年~昭和50年まで新柳町の隣、桜町に居住。現在、文芸同人誌「南風」同人。平成15年「旅の絵師」で市民文芸福岡市議会議長賞、平成17年「宝恵駕籠」で市民文芸福岡市民芸術祭賞受賞。平成22年「雨上がり」で福岡市文学賞受賞。新柳町に関する著作に「博多新柳町の跡」『西日本文化』427号、「通学路だった遊郭「新柳町」界隈」『西日本文化』469号など。九大の誘致や、旧柳町遊郭を新柳町へ移転させた渡辺與八郎の遠縁にあたる。

白鹿 夏海(はくしか なつみ) さん (新・筆名) ※白鹿さんは急病のため来られなくなりました。
清川の実家「カフェーふじ」を中心に、人情味溢れる清川の人々を描いた処女作「清らかな川の町」で2013年に福岡市長賞を受賞。現在続編を執筆中。

<お問い合わせ>
公益社団法人 福岡県人権研究所 (担当:田中)
〒812-0046 福岡県福岡市博多区吉塚本町13-50福岡県吉塚合同庁舎4階
電話(092)-645-0388/ 0387(FAX)

※参加ご希望の方は1月15日(木)までに研究所にお申し込み下さい。

  • 2014年12月19日(金)14時53分

2014年度 第1回 ジェンダー部会(第176回定例研究会)

性的少数者の一人として
―性的少数者の抱える問題と今後の課題―

【※このイベントは終了しました】

講師  野見山美佐 さん

日時 6月14日(土) 午後2時~

場所 福岡県人権啓発情報センター(ヒューマン・アルカディア)視聴覚室
福岡県春日市原町3丁目1−7クローバープラザ 西棟 7階
(JR鹿児島本線「春日駅」から徒歩1分)

資料代 500円

戸籍の性別変更の特例法が制定されて今年で10年を迎えます。2000年代以降、治療のガイドライン作成や、法律の整備、人権施策による取組の推進などで性同一性障害を取り巻く環境は大きく変化してきました。
しかし、テレビのニュースなどで「性同一性障害」の話題が取り上げられても、同性愛と性同一性障害がどのように違うのか、「性的少数者の抱えるそれぞれの課題は何なのか?」まだまだ知られていないことも多くあります。同性愛や性同一性障害の当事者の中には、生き辛さに耐えかねて自ら死を選ぶ人もあり、国の自殺総合対策にもこの問題が盛り込まれています。日頃の生活の中では、性的少数者の人々と接することが無いと思われがちですが、じつは思った以上に多くの人が自己の性について悩んでいると言われています。
この、性的少数者の人々が抱える悩みを、私たちの身近な問題として捉え、一緒に考えていく機会にしていただければと思います。

講師  野見山美佐 さん プロフィール
昭和30年代に福岡県の筑豊で生まれる。大学卒業後は会社員、社会福祉施設職員を経て、平成15年より福岡県中間市に勤務。子どものころより、自分の性に疑問を持ちながら生きてきてきたが、2002年に自分らしく生きることを決意し、社会的な性別を女性へと変えて現在に至る。2004年からは、自己の性に違和感をもつ当事者や理解者数名とともに、性への違和感を持つ人達を対象とするグループを作り、ワークショップや交流会などを開催、性的少数者に関する色々な問題への取り組みを行う。平成21年にグループが解散し今までの活動は一旦終了したが、その後は、個人的に「声がかかればどこにでも出かけていく」というスタンスで、性的違和感を持つ人たちからの相談、性的少数者(セクシャルマイノリティ)などについての講演、性的少数者が抱える様々な問題についての取り組み等に参加しています。

<お問い合わせ>
(公社)福岡県人権研究所(担当:田中)
電話(092)-645-0388/ 0388(FAX)

※午後4時から同所で外国人部会も開催されます。

  • 2014年04月21日(月)15時29分

講演「伊藤野枝と代準介」 講師 矢野寛治さん(書評家、映画評論家)

【※このイベントは終了しました】

公益社団法人 福岡県人権研究所 定例研究会
2013年度 第2回 ジェンダー部会

講演「伊藤野枝と代準介」
講師 矢野寛治さん(書評家、映画評論家)

日時 12月14日(土)午後6時~8時

会場 ココロンセンター研修室
(博多リバレインオフィス10階)

資料代 500円

 2013年9月で、婦人解放運動家・伊藤野枝没後90周年を迎えます。代準介は伊藤野枝の伯父にあたり、『部落解放史・ふくおか』創刊号で、井元麟之さんの「ひとつの人間曼荼羅―代準介翁「牟田の落穂」より―」の中でも紹介されています。妻が代準介の曾孫に当たり、昨年末に『伊藤野枝と代準介』(弦書房)を上梓された矢野寛治さんをお招きして、お話を伺います。

<講演概要>
伊藤野枝の「影と光」についてお話しさせて頂きます。
今宿の没落した「萬屋」に生まれ落ちたノエは、幼い時から親戚を口べらしのために、盥回しされた。宿命を恨みながらも、生きていくすべとして、読書と勉強に邁進した。「今にみていろ、今にみていろ」と。成績が良ければ、莫迦にされず、大事に扱われるからだ。それでも、高等小学校を出ると、今宿の郵便局に就職させられる。こんな田舎で一生を終わりたくない。従姉の代千代子が通っている、東京の上野高女に行きたい。叔父の代準介に何通もの手紙を送り、進学を懇願する。千代子に負けたくない。叔父はノエを上京させ、上野に入れる。
 そこには浅草・上野界隈の裕福な商業家の娘たちが集っている。負けないためには勉強しかない。文才があり、国語の西原教師や、英語の辻潤に可愛がられる。卒業後、辻の元に走り、辻が働かぬために、平塚らいてうを頼り、「青鞜」編集部に入る。そこには当時四年制大学を出た、名家の娘たちが集っていた。負けられない。二代目編集長を継ぐ、一年で廃刊となる。大杉栄に奔る。葉山・日蔭茶屋事件が起きる。恋の勝利者となり、大杉の内縁と云えども、妻となる。今までの劣等感は霧消し、女性解放運動に邁進を始める。影である「宿命への恨み」から、光の中へ。「生きた証」を作り始め、その矢先、28歳で麹町分署の憲兵隊に虐殺された。 
彼女の生き急いだ「影と光」をお話しいたします。

講師  矢野寛治さん プロフィール
1948年(昭和23年)、大分県中津市生まれ。成蹊大学経済学部卒業後、広告会社「博報堂」にてコピーライターとして定年まで従事する。元・福岡コピーライターズ・クラブ理事長。九州の地元紙・誌にエッセイやコラム、映画評や書評を連載。RKB毎日放送「今日感テレビ」コメンテーター。著書「ふつうのコピーライター」(共著、宣伝会議)、「なりきり映画考」(書肆侃侃房)、「団塊少年」(同)ほか。

お問い合わせ 公益社団法人 福岡県人権研究所
電話(092)-645-0388/ 0387(FAX)(担当:田中)

  • 2013年09月20日(金)18時35分