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森崎和江と石牟礼道子 ―〈聞き書き〉がひらく世界―

(公社)福岡県人権研究所 第189回定例研究会
2015年度 第2回 ジェンダー部会
「森崎和江と石牟礼道子
 ―〈聞き書き〉がひらく世界―」

文化交流誌『サークル村』(1958年)における創作活動の模索の一つが、〈集団創造〉の理念であり、実践としての〈聞き書き〉であった。森崎和江の『まっくら』(1970年)は、文字が書けない読めないアトヤマの体験を、森崎が記録し、女性労働者の精神史としてよみがえらせた名作であり、〈聞き書き〉という方法が、ドキュメンタリーから文学へと離陸する可能性を示した点でも画期的な成果であった。森崎のこうした実践に大きな感化を受けたのが、女性交流誌「無名通信」のメンバーである。石牟礼道子『苦海浄土』も、中村きい子『女と刀』も、森崎の実践を抜きに語ることはできない。九州というマージナルな場で、とりわけ女というマージナルな立場から、なぜ世界的な作品が生まれたのか。
今年のノーベル文学賞受賞者は、ベラルーシの女性作家アレクシェービッチだが、『戦争は女の顔をしていない』(1985年)以来、彼女が一貫して用いたのが〈聞き書き〉という方法、すなわち〈同時代の苦難と勇気の多声的表現〉(授賞理由)であった。森崎、石牟礼をアレクシェービッチの先駆者としてとらえ、〈聞き書き〉の可能性について考えてみたい。

講師  井上洋子さん プロフィール
福岡県若松市(現北九州市)生まれ。九州大学文学部を卒業後、梅光女学院大学大学院博士課程修了。福岡国際大学教員を経て、福岡県人権啓発情報センター勤務。編著書に『五足の靴百年―南蛮文学の誕生とその広がり―』(野田卯太郎文学資料館編)、『サークル誌の時代―労働者の文学運動』(福岡市文学館)、『森崎和江コレクション』(藤原書店)、『柳原白蓮』(西日本人物誌20、西日本新聞社)など。

日時 2016年1月31日(日)午後2時~

場所 福岡県人権啓発情報センター
(ヒューマン・アルカディア)視聴覚室
福岡県春日市原町3丁目1−7
クローバープラザ 東棟 7階
(JR鹿児島本線「春日駅」から徒歩1分)

資料代 500円

<お問い合わせ>
(公社)福岡県人権研究所(担当:田中)
電話(092)-645-0388/ 0387(FAX)

  • 2015年11月09日(月)15時55分

私の出会った移住女性労働者たち

(公社)福岡県人権研究所 第185回定例研究会
2015年度 第1回 外国人部会・ジェンダー部会共催

私の出会った移住女性労働者たち
                講師 大川映子さん 権利ネットワーク・北九州
北九州市内の工場で発生した労災事故を会社側が隠蔽を図ったことがきっかけで、移住労働者の問題に係わるようになりました。その後、移住労働者の相談は、福岡県に留まらず、佐賀県や大分県にまで広がっています。職場は、建設業、鉄工業、ホテル業、繊維産業、食品加工業、農業の分野で、そこで主として働いているのは女性たちです。現在労働力の世界移動が拡大し、特にその女性化が進んでいますが、アジアの国々から来て日本で働く女性の数は年々増えています。その働き方(働かされ方)の中には私たちの想像を絶するものもありました。移住労働者の日本での働き方は、専門職から単純労働までさまざまですがこの間係わって来た研修生/技能実習生の実情をお話ししたいと思います。
 彼女たちのおかれた状況は、日本人女性の働き方を反映しています。彼女たちとの闘いの経験が、私たちの生き方/働き方を再考する機会となればうれしいです。

 大川映子さん  プロフィール
 1949年7月生まれ。子ども1人。1991年に離婚し自立。下田産業で事務員として勤務。1995年会社からリストラ名目で解雇される。解雇撤回ののち職場復帰したが、以後15年間職場からのいじめ・排除と闘う。2009年会社との間に和解を勝ちとる。この下田産業闘争をきっかけに現在のユニオン北九州を結成。現在副委員長。
 2007年に外国人技能実習生(インドネシア人)の労災隠し事件をきっかけに、以降実習生問題、日系ブラジル人女性労働者の問題に取り組む。地域の人たちと一緒に「実習生権利ネットワーク・北九州」を作り活動を行う中で、移住連ネットワークにも加盟する。実習生は大分、佐賀、福岡の地域で中国、フィリピン、インドネシア人等11件になる。

日時 6月28日(日) 午後2時~4時

場所 福岡市人権啓発センター
(ココロンセンター)研修室
福岡市中央区舞鶴2丁目5番1号 
福岡市健康づくりサポートセンター8階(あいれふ)
(福岡市営地下鉄「赤坂駅」から徒歩5分)

資料代 500円

<お問い合わせ>
(公社)福岡県人権研究所(担当:田中)
電話(092)-645-0388/ 0387(FAX)

  • 2015年05月29日(金)11時35分

遊郭街跡 新柳町・清川の歴史と散策

公益社団法人 福岡県人権研究所
第183回定例研究会(ジェンダー部会)のお知らせ

「遊郭街跡 新柳町・清川の歴史と散策」

【※このイベントは終了しました】

2012年のジェンダー部会では旧柳町遊郭街跡と寛政五人衆の史跡を巡るフィールドワークを行いました。旧柳町遊郭は明治42(1910)年、九州帝国大学誘致のため風紀上これを隔離すべきとして、「渡辺通り」の地名で知られる渡辺與八郎らの働きかけで住吉村高畑(渡辺家の所有地、現在の清川)へ移転し、新柳町として昭和33(1958)年の売春防止法施行まで営業を続けていました。福岡大空襲で焼ける前は、全国に3つしかない娼妓の学校「翠(すい)糸(し)学校」や、新柳町で働く人々の食事を賄う「共同炊事場」もあったといいます。赤線廃止後は旅館や飲食店などに転業し、昭和37(1962)年8月に「清川」という地名に改められました。
今回は、昭和中期の新柳町時代のエッセイを書かれている渡邉弘子さんと、2013年に清川時代の小説「清らかな川の町」で福岡市長賞を受賞された白鹿夏海さん(新・筆名)をお招きしてお話を伺い、「新柳町・清川の歴史と散策」を企画しております。ご関心のある方はぜひご参加ください。

1月18日(日)午後2時~ 春吉公民館 集合 
(ホテルニューオータニ裏)
福岡市中央区春吉1丁目17-13 
TEL:092-761-2528

資料代:500円(保険料込み) 
(約2時間半~程度)
     
<講師紹介>
渡邉 弘子(わたなべ ひろこ) さん
昭和13年(1938)年生まれ、昭和13年~昭和50年まで新柳町の隣、桜町に居住。現在、文芸同人誌「南風」同人。平成15年「旅の絵師」で市民文芸福岡市議会議長賞、平成17年「宝恵駕籠」で市民文芸福岡市民芸術祭賞受賞。平成22年「雨上がり」で福岡市文学賞受賞。新柳町に関する著作に「博多新柳町の跡」『西日本文化』427号、「通学路だった遊郭「新柳町」界隈」『西日本文化』469号など。九大の誘致や、旧柳町遊郭を新柳町へ移転させた渡辺與八郎の遠縁にあたる。

白鹿 夏海(はくしか なつみ) さん (新・筆名) ※白鹿さんは急病のため来られなくなりました。
清川の実家「カフェーふじ」を中心に、人情味溢れる清川の人々を描いた処女作「清らかな川の町」で2013年に福岡市長賞を受賞。現在続編を執筆中。

<お問い合わせ>
公益社団法人 福岡県人権研究所 (担当:田中)
〒812-0046 福岡県福岡市博多区吉塚本町13-50福岡県吉塚合同庁舎4階
電話(092)-645-0388/ 0387(FAX)

※参加ご希望の方は1月15日(木)までに研究所にお申し込み下さい。

  • 2014年12月19日(金)14時53分